《TS-890について一言!》
8/8 販売店向けTS-890発表会に参加してきました!
先日の関ハム会場と同じ池田市民文化会館で開発鳥居さんの話を聞いてきました。
まず、HF機の歴史は、受信方式/性能/機能の戦いの歴史として、近年の受信方式をまとめられていました。
UPコンバージョン方式も2008年7600、2010年7410、そして、2015年7851。それに続くダイレクトサンプリング方式2016年
7300、2017年7610。DOWNコンバージョン方式は2008年のK3から、2010年TS-590、FTDX5000、2012年
FTDX3000、2013年TS-990、2014年TS-590G。
ケンウッドとしては、安価高性能というSDRの長所を評価しつつも、量子化歪、オーバーフローという難点も検討。今後、SDRモデルを出さないというわけ
ではなく、それぞれの目的・モデルに応じて、受信方式を検討してゆくとのこと。その通りですね。
そして、TS-890、すなわち、DX'er用受信機はオーバーフローの心配なくお使いいただきたい。IMDR/RMDR/BDRも妥協すべきでない。
C/N特性はまだ改善の余地がある。ゆえに、TS-890は、ダウンコンバージョンプラス狭帯域RFTプラス高C/CNローカルオシレーターというコンセ
プトが最適であるというのが『ケンウッドの考え』ですとのこと。結果、IMDR/RMDR/BDRでもトップクラスの性能を実現しました。
この辺り、詳しくはサイトの説明もご確認ください。
また、バンドスコープは高速・なめらかで、各種設定により使用感も抜群に向上しています。かなりの時間、触らせてもらいました。
ボタン数は減り、配列も変わりました。結果として、セットモードはさらに細くなりましたが、基本的な操作系統・操作感覚は同じです。
なお、メインダイヤルは、当初、TS-990よりも一回り小さいものを検討していたようですが、結果、TS-990と同じメインダイヤルが採用されていま
す。
サイズは小さいですが、一体型アルミダイキャストで15.8kg。見た目よりもずっしりと重いので、腰痛の方は要注意です……苦笑。
TS-990発売からの期間のノウハウの蓄積により、基本性能は、TS-990をしのぐ部分もあります。しかし、デュアル周波数表示ですが、デュアルワッ
チではないのでご注意ください。
また、100Wモデルですので、その点、TS-990との違いはありますが、価格と性能を考えますと、非常に魅力的なモデルに仕上がっていると思います。
590では物足りない。990はちょっと価格とサイズが……という方におすすめの実戦機となっています。
●フロント
●リア
苛酷な環境、不利な状況であればあるほど、出会いの喜びは大きく、そし
て気高い。
HFを愛するがゆえに、その厳しさを知り尽くす、エンスージアストたちへ。
結果を、偶然でなく必然にする、磨き上げた基本性能を、ここに捧げたい。
3つのダイナミックレンジ特性でトップクラスを実現。
聞き疲れしないケンウッドトーンも健在。
多彩な表示+オートスクロールで進化した実戦運用力。
安定出力、静音性、高速動作の3拍子そろった送信部。
スプリット運用の操作性を徹底的に追求。
すべてに考え抜かれたインターフェース。
| 一般仕様 |
| 送信周波数範囲 |
160mバンド |
1.810~1.825MHz,1.9075~1.9125MHz |
| 80mバンド |
3.500~3.575MHz,3.599~3.612MHz
3.680~3.687MHz,3.702~3.716MHz
3.745~3.770MHz,3.791~3.805MHz |
| 非常連絡設定周波数 |
4,630kHz |
| 40mバンド |
7.0~7.2MHz |
| 30mバンド |
10.1~10.15MHz |
| 20mバンド |
14.0~14.35MHz |
| 17mバンド |
18.068~18.168MHz |
| 15mバンド |
21.0~21.45MHz |
| 12mバンド |
24.89~24.99MHz |
| 10mバンド |
28.0~29.7MHz |
| 6mバンド |
50.0~54.0MHz |
| 受信周波数範囲 |
0.13~30MHz、50~54MHz
(VFOは30kHz~60MHzを連続動作) |
| 電波型式 |
A1A(CW)、A3E(AM)、J3E(SSB)、F3E(FM)、
F1B(FSK)、G1B(PSK) |
| 周波数安定度 |
±0.1ppm以内(0℃~+50℃,) |
| アンテナインピーダンス |
50Ω |
| アンテナチューナー整合範囲 |
16.7Ω~150Ω |
| 電源電圧範囲 |
DC13.8V±15% |
| 接地方式 |
マイナス接地 |
| 消費電流 |
送信時最大 |
22.5A以下 |
| 受信時(無信号時) |
2.5A以下 |
| 使用温度範囲 |
0℃~+50℃ |
| 外形寸法 |
突起物含まず |
W396.0 × H141.3 × D340.0mm |
| 突起物含む |
W409.6 × H158.3 × D387.4mm |
| 質量 |
約15.8kg |
| 送信部 |
| 定格送信出力 |
CW/SSB/FSK/
PSK/FM(AM) |
TS-890S:100W(25W) |
| TS-890D:50W(25W) |
| 変調方式 |
SSB:平衡変調 FM:リアクタンス変調 AM:低電力変調 |
| 最大周波数偏移(FM) |
ワイド:±5kHz以下、ナロー:±2.5kHz以下 |
| 送信スプリアス |
HF:-50dB以下 |
| 50MHz:-63dB以下(S)、-60dB以下(D) |
| 搬送波抑圧比 |
60dB以上 |
| 不要測波帯抑圧比 |
60dB以上 |
| 送信周波数特性 |
100~2,900Hz:-6dB以内 |
| マイクロホンインピーダンス |
600Ω |
| XIT可変範囲 |
±9.999kHz |
| 受信部 |
| 受信方式 |
ダブルスーパーヘテロダイン |
| 中間周波数 |
第1 IF |
8.248MHz |
| 第2 IF |
24kHz/36kHz(FM) |
| 受信感度(TYP) |
SSB/CW/FSK/PSK
(S/N 10dB) |
-6dBμ(0.5μV)(0.13~0.522MHz) |
| 12dBμ(4μV)(0.522~1.705MHz) |
| -14dBμ(0.2μV)(1.705~24.5MHz) |
| -18dBμ(0.13μV)(24.5~30MHz) |
| -18dBμ(0.13μV)(50~54MHz) |
| AM(S/N 10dB) |
16dBμ(6.3μV)(0.13~0.522MHz) |
| 30dBμ(31.6μV)(0.522~1.705MHz) |
| 6dBμ(2μV)(1.705~24.5MHz) |
| 2dBμ(1.3μV)(24.5~30MHz) |
| 2dBμ(1.3μV)(50~54MHz) |
| FM(12dB SINAD) |
-13dBμ(0.22μV)(28~30MHz) |
| -13dBμ(0.22μV)(50~54MHz) |
| スケルチ感度 |
SSB/CW/FSK/PSK/AM |
15dBμ(5.6μV)以下(0.13~0.522MHz) |
| 25dBμ(18μV)以下(0.522~1.705MHz) |
| 5dBμ(1.8μV)以下(1.705~30MHz) |
| 1dBμ(1.1μV)以下(50~54MHz) |
| FM |
-14dBμ(0.2μV)以下(28~30MHz) |
| -14dBμ(0.2μV)以下(50~54MHz) |
| イメージ妨害比 |
HF:70dB以上、50MHz:60dB以上 |
| 中間周波数妨害比 |
70dB以上 |
| 選択度 |
SSB |
2.6kHz以上(-6dB) |
| 4.4kHz以下(-60dB) |
| CW/FSK/PSK |
500Hz以上(-6dB) |
| 1.2kHz以下(-60dB) |
| AM |
6kHz以上(-6dB) |
| 12kHz以下(-50dB) |
| FM |
12kHz以上(-6dB) |
| 25kHz以下(-50dB) |
| RIT可変範囲 |
±9.999kHz |
| ノッチフィルター減衰量(IF) |
70dB以上(Manual) |
| ビートキャンセル減衰量(AF) |
40dB以上 |
| 低周波出力 |
1.5W以上(8Ω) |
| 低周波出力インピーダンス |
4Ω~8Ω |
● 付属品
- ■ DC電源コード×1
- ■ 7ピンDINプラグ(REMOTEコネクター用)×1
- ■ 13ピンDINプラグ(ACC2コネクター用)×1
- ■ 予備ヒューズ4A×1
- ■ 予備ヒューズ25A×1
- ■ 取扱説明書×1
- ■ 保証書×1
- ■ 送信機系統図×1
- ■ 回路図×3
- ■ JARL入会申込書1式
- ・測定はJAIAが定めた測定方法によります。
- ・電気的スペックはアマチュアバンドのみに適用されます。第1
IF周波数(8.248MHz)付近はIFトラップにより受信感度が低下します。
- ・アマチュアバンド受信時に内部ビートが発生する場合があります。また、バンドスコープ(ウォーターフォール)画面に受信信号以
外のスプリアス信号を表示する場合があります。
- ・20W(30MHz以下は10W)を超えるアマチュア無線局の申請には、第3級アマチュア無線技士以上、50Wを超える場合
は、第2級アマチュア無線技士以上の資格が必要です。
また第3級アマチュア無線技士の資格で、最高出力50W(100W/50W切り換え可能機を含む)を超える機器を使ってのアマチュア無線局の申請はそのま
までは申請することができませんのでご注意ください。
- ・本無線機器の本体には電波法に基づく技術基準適合証明等を取得した表示(
技
適マーク)がついています。